2011年08月07日

はじめての…一人旅?!

今日はIちゃんのお話です。

Iちゃんは中学生ですが、
計画を立てても、結果が伴わないというか、
いわゆる「自分なりに頑張ってるけど、結果がついてこない」というタイプのお嬢さんです。

学校の人間関係でも同様な感じで、お母さんから相談を受けております。
そんな関係から最近よくIちゃんとお話をする機会があったのですが、(お母さんにも話したことですが、)少しKは気になっていました。

言葉の断定が多いわりに、それは、広い体験から来るものではなく、ほとんどは想像の世界で結論をだしてしまいがち…
社会経験数が少ないまま育ってしまったのかな。

また、特定のテーマについて数人で会話が進んでいるのにもかかわらず、
「先生、私○○なんですよー」
と、(無意識に)自分中心の話題に引き戻してしまう点。
どうも我慢できずに突発的に言葉が出てしまうようなのです。
情緒障害のお子さんではありません。

これらの点から、
大人4人に囲まれて暮らしていることも助長しているのかわかりませんが、
社会経験値の低さと、会話の流れなど関係なく、とにかく自分にスポットが当たることで愛情の度合いを測るという癖がついているのかもしれない、と思ったのです。
同級生にしてみると、思春期の子供たちですから、こういう会話の仕方は、受け入れにくいのかもしれません。

そこで、お母さんに相談し、夏期講習の間、行きは車ではなく、バスと電車を乗り継いで一人で来てもらうことにしました。

こういうお子さんには、実際の体験が大切、とKは思ったからです。

自分の大丈夫、という自信(予想)が、現実にも大丈夫かどうか、すり合わせをするいい体験になるからです。

その前の週に駅に行って、実際に練習しました。
結果は、失敗。
待ち合わせの時間に大幅に遅れてしまったため、電車に乗り遅れたのです。

当日。

昔、『お父さんは心配性』という漫画がありましたが、

その名が浮かぶくらい、お母さんはとても心配されて、本当に心配されて、

でも本人が大丈夫というので、本人に任せて見送ったのでした。


1日目。失敗。

時間通りに駅には着けたものの、乗車ホームがわからず、うろうろして時間切れ。
Kに連絡してきたのは、そのずっと後になってからでした。

わからなくなったらどうすればいいか、が分からなかったんですね。

この日、KはIちゃんには「今日はそのままお家に帰りなさい」と伝え、

ご家族に、ちょっぴり厳しく伝えました。
自分の子どもの心配をするなら、困った時の対処法を教えてあげてほしい、と。
対処法を教えることなしに、ただ大丈夫かしら、と心配しても、
何の解決にもならないことを、知ってほしかったのです。

お母さんは、
「1回乗っているし、前日も切符売り場にいって確認してしっかり準備したのに、なんでできないのかしら…(がっくりもうやだ〜(悲しい顔))」という感じ。

2日目。成功。

到着駅までKがお迎えに行ってあげました。
何気なく、どうやって来たかを聞くと、
「家から駅まで40分くらい歩きました」とのこと。

よ、40分?!

都会のサラリーマンだって、40分は歩かないよ。

夏の、炎天下。
熱中症など、何かあったら大変。

(これは、他の方法を探さないと…)

そこで、バスルートの書いてある地図をIちゃんに見せて、最寄りの駅とバスを乗り継いで来れないか、ルート検証してみることにしました。

Iちゃんは家からA駅まで歩いて40分のところに住んでいます。
その間、バスは出ていません。

そこで、最寄駅は…と探すと、

B駅まで、歩いて15分くらいのところ。

(B駅を使って、なんとか波田までこれないかな?)

そこで、バスルートをたどって行くと、C駅が引っ掛かりました。
C駅からDバス停までバスで来て、そこから別便に乗り継ぐと、波田まで来れるのです。
しかも、そのバスは降車場所は自由。降りたいときに降りられるのです。

A駅を使うと、片道560円。
B駅から乗り換えで波田まで来ると、中学生料金で480円。

全体的な所要時間は30分ほど多くかかってしまうけど、料金は安くなる上に、
連続して歩く時間が圧倒的に少ないので、このルートで設定してみました。

切符の買い方・バスの乗り場がわからないというので、

とにかく駅員さんに聞くこと、

うろうろする前にまず聞くこと、を徹底させ、

何時にどこで降りて、バスの運転手さんにいつお金を払うのか、など基本事項を地図に書き入れ、

自分でシミュレーションできるまで、

地図を見ながら全体像を把握させていきました。

そして地図をコピーし、該当の時刻表を裏側にくっつけて、
家に貼っておく用と自分で持つ用に分けて、渡したのでした。

3日目。成功!

初めてのルートにも関わらず、Kと約束した通りに来れたのです。

教室に入ってきた瞬間、

「先生!着きました!!!」

とすごく嬉しそうな顔。

本当に本当にうれしそうでした。

Kも、すごくうれしかった。

よく頑張ったね、よく来たね。

事前準備というのは、こういうことを言うんです。

成功するために、準備をするんです。

今なら分かるだろう、と思い、KはIちゃんに言いました。

「計画を立てるということは、こうやって形にさせなければ意味がないんだよ。

他のことでも同じだよ。

何かをしようと決めたら、やってのけて初めて評価してもらえるんだよ。

昨日一緒に準備したように、準備はとても大変。

でも、がんばって準備して、それが成功して、形にできたら、

そっちの喜びの方が大きいでしょ?

だから、これからは、今日気づいたことを生かして行動するんだよ。」

今までのIちゃんは、すぐに「そうですね。」「わかりました。」

と返していたのですが、

その時の彼女は即答せず、「…そういうことかぁ。」

とつぶやくように答え、言葉の意味を(初めて?)理解しようとしているようにKには見えました。

一緒に乗り越えた経験をどう生かすかは彼女次第。

それを今後も応援していくのが当会です。
posted by kumpu at 19:23| 教育