2010年09月28日

NPO法人の舞台裏

NPO法人。

日本語では

非営利特定法人

と言って、その名の通り、非営利で運営する組織のことを指します。

最近、NPOという言葉をよく聞くようになりました。

聞こえからは、まるですごいことをしているような、

住民の味方のような言葉です。

信念を持って、一生懸命運営している団体なら、

評価されるべき、称賛されるべきですが、

残念ながらそうではない団体もそれなりにあるようです。

収支報告・社員登録が虚偽だったり(監査を通しているように見せかけたり、公文書偽造の疑いあり)、

資金の私的流用が日常茶飯事に行われていたり(監査・理事もグルになっていたり)、

理事ががっちり近親者で固められていたり(実態がない組織)、

それはすごい現状だったりします。

残念なお話ですが、頑張っている団体がある一方、NPOの本来の主旨を、悪用する人がいるのです。

諸悪の根源がはびこったままでいる原因は、なぜなのか。

その理由は、私たち市民側の認識不足と、行政の管理不足にあります。

たとえば長野県では、県の業務として、NPOを推進しているものの、監査機関や第3者的評価機関を設けていません。

従って、NPOを作ったり認可したりすることには協力しますが、

その後の組織内のトラブル、不正書類の提出等への予防・相談には一切応じないのです。

法人内で処理できないからこそ県に相談に行ったのに、それは法人内で解決することなので県は何もできない、という姿勢です。

種をまくだけまいて、後は知りません、という姿勢ですので、

現状では、

私たち市民もそれなりの知識と予防、対応を考えてから入会したり、会員、社員や役員として活動することが必要です。

こんな問題が実際にあります。


●純粋に社会に役に立ちたいと思って役員になったら、実態は補助金目当てだけのとんでもない組織だった。理事も監事も近親者だらけで、正直者がバカをみている現状。責任を全うできないのは関係者としてはなはだ困る。

という例。

法人には定款(ていかん)というものが存在します。
定款は、法人の活動を行う上での規則です。

世の中に法律があるように、
NPO法人には定款があるのです。

そしてすべてはこの定款にのっとって組織が運営されていきます。

誰かの作ったNPOに入会して、社会奉仕をしたいとお考えの方は、この定款をまずしっかり読むことが大事なポイント。

といっても、どこを読んだらいいか、困ってしまいますよね。

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ひらめきその@ 退会の項目を読むこと

正会員の項目だけでなく、もしかして社員や理事になったりした後に、
万が一のトラブルの際、どうやったら退会できるのかを知ってから、入会を決めましょう。

場合によってはすぐにやめられないこともあるのです。

たとえば、某NPO法人の理事の進退に関する定款はざっと次のようになっていました。

・任期は2年
・総会の承認を得て辞任が認められる
・任期途中で辞任しても、後任が見つかるまでは辞められない
・任期満了しても、後任が見つかるまでは延長しなくてはならない

これはどういうことを言っているか、わかりますか?
辞任届は事実上、意味をなさないということです。

ここで知っておいてほしいのが、
理事の場合は名前が登記簿に記載されますので、

登記簿から名前が削除されない限り、責任があり続けることになります。

つまり、辞任届を出しても出さなくても、このNPO法人の理事の場合は「後任がみつかるまで」辞められないのです。
さらに、辞めたくても、登記簿から名前を削除されないと、完全に離れたことにならないのです。

では、どうしたら登記簿から削除してもらえるのか。

・理事会が後任を探す
・総会で承認される

この2点を満たさないとできないのです。

たとえば理事の中に悪意ある者がいて、
総会を妨害したり、
後任を探さずに放ったらかしたら、

いつまでも辞められないのです。辞めたいのに辞められない。というか、辞めさせてもらえないのです。

こんな矛盾した定款を使うNPO法人の正会員や賛助会員になったって、いいことはありません。
食い物にされるだけです。

たとえお知り合いからお誘いを受けたとしても、
絶対に断るべきです。

事例として、次の被害があります。

社員として名前を貸してくれと言われ、
大したことないと思って名前を貸していたが、
いつの間にか理事として登記されていた、
という人がいました。
知らないうちに理事になるということは、
理事承諾の署名を自分ではない誰かがしたということですから、
その当時の理事長に公文書偽造の疑いが生じてきます。


ひらめきそのA 理事会と総会の招集者が誰かを確認する

通常は理事長が総会を招集しますが、悪意ある理事長は理事会や総会を開いたことにして(実際は開いていない)、自分に都合よく議事録を書いたり、収支報告書を仕上げたりすることがあります。

そこで、総会の招集権を持つ者は、理事長だけでなく、他の役員にも認められているのが好ましいです。

たとえば監事にもその権利があったり、

活動に異常が見られた場合は他の理事や社員にも理事会や総会を招集する権利があったりという、力の分散が必要です。

(ただし、理事長と監事が内縁の夫婦関係だったりすることがありますので、一見姓が違って他人のように見えることもあります。ほんと、悪意ある団体はあなどれません。)


その他、定款とは違いますが、確認の方法があります。

ひらめきそのB 理事会では通帳を見る機会はあるか

悪意ある理事長の場合、自分が代表印も通帳も持っている場合が100%といっても過言でないでしょう。
というのも、私的に使い込んだ過去がある場合、記帳にすべて出てしまうため、通帳を他人に見せられないからです。
理事会で要請しても、通帳を持ってくるはずがありません。
(ここから内部トラブルが発生するケースがほとんどです)

従って、理事会の要請に応じて通帳を見せる機会があるか、確認してみるとよいでしょう。

その際は、文章で質問し、文書で返答をもらうといいでしょう。(電話だと言った言わないのケンカになります)

また、いくら知り合いであったとしても、
理事長に入会金を手渡しで渡すことはお勧めしません。
かならず、現金書留で送って証拠を残しておくか、
できるだけ銀行の振り込みを利用して、
いつどの口座にいくら支払ったのかを明確に残しておくべきです。
その際、もしも理事長の個人名の口座名義になっていたら、
かなり危ない…ということです。
振り込む前に、理由を聞いてみましょう。

その際、文書での回答を求めるのが賢明です。
なにかあった時の証拠になります。

ひらめきそのC 理事会の要請に応じて議事録を見ることができるか

悪意ある理事長が作成した議事録は、理事であっても、みることができません。(虚偽なので、見せないからです。)

その際は、文章で質問し、文書で返答をもらうといいでしょう。(電話だと言った言わないのケンカになります)

ひらめきそのD 定期的に活動報告をしているか

純粋に社会のために役立ちたい団体は、ブログをつけるなり、HPを更新するなり、メーリングリストを作るなり、何らかの活動やその動きを報告しています。
組織を立ち上げました、補助金をもらいました、ちょこちょこ新聞に取り上げられました、程度の報告では、あてになりません。

最近の新聞は、聞いた話をうのみにして、裏を取らずに記事にするいい加減な記者もいます。C新聞の例では、実例もあります。


これらの最低限の5つの項目は、きちんと調べた方がいいです。
健全なNPOの下で活動すると、達成感と充実感を味わえます。

不健全なNPOの下で活動しようとすると、
最後は金銭的なトラブルで大もめにもめるか、泣き寝入りすることになります。

トラブルになった場合、長野県の場合は相談に乗ってくれるかと言うと、一切のってくれません。

法人内のことは、法人内で解決しろ、という姿勢なのです。

自己責任。だます方より、だまされた方が悪いのだということです。

法人内で解決できないからこそ、どこかに解決の糸口を探さなくてはならないのに、その窓口がないのです。

長野県の職員に聞いてみたところ、
次のようなコメントが来ました。

「たとえ提出された書類が不正であるとこちらで分かっていても、文章と数字に手落ちがなければ受理せざるを得ない」

というものでした。

つまり、相手が犯罪者であるとわかっていても、知らないふりをするということです。

皆さんは、どう思いますか?

私たちも自己責任で行動する必要がありますし、

行政側の姿勢も、変わらないといけません。


ここまで読んでくださった方のために、
最後にもう一つ、付け加えておきます。

法人を解散する場合、
清算人が財産を清算します。
この時に、通帳も当然必要になります。

さらに公報に3回の解散告知をしなくてはなりませんので、
約10万円ほどかかります。

これも、誰が払うかでもめる原因にもなります。

被害に遭わないように、どうかお気を付けください。

最近、この記事を読まれる方が増えてきているようで、少し心配になりましたので、
時差がありますが、追記いたします。

登記簿の除名処理は、法務局の管轄です。

法務局では、代表印がついてある正式な文書でないと受理してもらえません。

理事や社員になってしまったが、自分の側に正当な理由があり、どうしても辞任したいのに辞めさせてもらえない、という方のために、一つの方法をお教えします。

弁護士に相談することです。

行政が無料相談を実施しているところもあります。

しかし、たいてい1回では終わらないので、複数回、相談に行く必要がありましょうが、

弁護士が法律にのっとった正式な文書を相手方に出してくれますし、きちんと法律にのっとった内容でしっかりと対応してくれます。

さらに、相手方との交渉はすべて弁護士が引き受けてくれますので、直接嫌な思いをしなくて済みます。

過去の証拠になる書類などをしっかり残しておき、それを持参すれば、割と早くに解決すると思いますので、ご不安な方は多少有料となりますが、その選択もご検討されるといいと思いますよ。
posted by kumpu at 14:50| 気まぐれ講座