2013年03月22日

おめでとうの日



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今日は高校入試の合格発表の日。

Y君の紹介をします。
Y君は、11月の後半に当会に入りました。
入会した当時はKが示した志望校合格ラインから60点離れた点数。

どうしても、A高校に入りたいとのことで、二人三脚が始まりました。

お母さんは「家の教育方針で自立心を一番に考えて本当に厳しく育ててきましたから、ビシビシやってください。」と。

夜遅くなるけど大丈夫?と聞くと、

「はい、自転車なので大丈夫です」

との返事。

聞けば、帰り道は農道のため、夜の道は真っ暗。

街灯がない道なのです。

車でさえ危ないのに、Y君は文句ひとつ言わずに来ました。

しかし…

宿題はやらない、

言い訳は天下一品、

言葉と行動が一致しないような状態で時が過ぎていきました。

気持ちだけは焦り、「次のテストで上げないと…」

というだけで、行動が伴っていない様子。

学校の担任からは

「志望校はあきらめなさい」

「まず受からない」

「ちょっと甘い考えなんじゃない?」

「まあ無理だろうけど、万が一受かったとしても、ついていくのが精いっぱいで高校生活なんか全然楽しくないよ。」

等々、散々な言われ方をしたようです。

そして、担任がすべて言い終わった後で、

「で、志望校はどうするんだ」

と改めて聞いたところ、

「A高校です。」

担任の先生は開いた口がふさがらない様子だったとか。

その日の塾で、

「K先生、ボク、学校で散々な言われ方をしました。本当に悔しかったです。」

とY君。担任の先生から言われた言葉をかいつまんで話してくれました。

K「それで、どうするの?」

Y君「もちろん、Aですよ。もうそこしか考えていません。」

K「そっか。…じゃあ、受かるように勉強するしかないね。ここまできたら受かろうよ。」

Y君「そうですよね。ボク、ここまで来たら受かりますよ。」


お母さんから後でお聞きしたのですが、

普段厳しく育ててきた親としては、相当なことでも気にしないけれど、

学校の担任から言われた言葉は、そこまで言わないとYはダメだと思ったのかもしれないけれど、

きっと女の子だったら泣いていたに違いない、

さすがに親でも「先生いくらなんでもそこまでは…」と止めに入りたくなるほどで、

Yのことが心配で心配でたまらなくなったと思うほど酷く、

あのYでさえ、下を向いてじっと黙ったままうつむいていたそうです。

でも、担任から志望校を聞かれたら、

「Aです」

と答えたので、親ながらこの子はあっぱれと思ったとのこと。

いやあ、本当に芯の強いお子さんです。


Y君は、最初こそお調子者でポワンポワンとしていましたが、

1月のテストの点数が少し上がったことを期に、エンジンがかかったようです。

目の色が少し、変わったな、と思いました。

2月のテストではまたさらに伸び、

入会時60点足りなかったところをあと20点までに縮めてきました。

志望校の最初の倍率が出た時、Y君が心配そうな顔で塾に駆け込んできました。

「先生、倍率出ましたよ!」

K「うん、出たね。・・・で、どうしたの?」

Y君「え、どうしたのって…」(きょとんとした顔つき)

K「だって受けるんでしょ?」

Y君「はい、…受けますが…」

K「受けるなら、受かるように全力を尽くすしかない。倍率が高かったら辞めるの?」

Y君「いえ・・・やめません」

K「倍率を気にする必要がある人は、志望校で迷いがある人。Y君は迷いがないんだから、倍率が高かろうと低かろうと、そんなの全然参考にならないんじゃない?まっすぐに合格に向けて進むべきでしょ?」

Y「あ・・・そうですよね。倍率なんて、関係ないですね。本当だ」(明るい表情に)


以来、Y君は様々な情報で心が翻弄されることはなくなり、更にいっそう、集中を高めていきました。

当会はチームになって、あれやこれやと世話を焼いてきましたが(笑)

のこり2週間半は、Y君の好きなように勉強させました。

Y君は、持っていた才能を開花させ、

すでに自分で自分に合った学習方法を考えられる子になっていたので、

Kが手取り足取りやるよりは、

Y君のペースを尊重した方がいいと判断し、

集中できる学習環境だけ用意し、時々アドバイスするだけで、後は任せておきました。

3月。

点数は、Kの示した合格ラインにあと5点という勢いに迫っていました。

二人で、最後の調整をしました。

いかに5点を取るか。

内心、この子はいける、と日々確信に変わっていきましたが、

Y君の弱点は唯一「気の緩み」でしたので、

最後まで厳しい評価を崩さずにいました。

といっても、息切れしてしまったらおしまいです。

そこで、「あと5点が必要。それをクリアできたら、志望校を受ける他の子たちと互角に戦えるよ。」

そんな声掛けを最後までし続けました。

前日。

KはY君に、最後のアドバイスをしました。

中身は秘密です。

メッセージカードに書いて渡しました。


お母さんから後で聞いたのですが、Y君は翌朝それをお守りとして胸ポケットに入れて、

受検に行ったそうです。

(なんとまあ可愛らしい、素直な子でしょう)

発表までの10日間、Y君は思わしくない出来に弱気になることもあり、ビリでもいいから受かりたい、

とお母さんにこぼしていたそう。

でも、Kは考えていました。

もはや、Y君にとって難しく感じる問題は、同じレベルの子たちにとっても難しい問題。

Y君だけが解けないわけではない、だから大丈夫、と。

Kもドキドキしていましたよ。

神様ではないので、結果は当日しかわからないのですから。

当日。

インターネットで受検番号を検索。


・・・ありました!

早速お母さんにお電話。

昼ごろ、Y君は本当はものすごくうれしいはずなのに、

冷静さを装って、

「先生。Yです。ありがとうございました。」

と電話をかけてきました。

「受かったね。見たよ。おめでとう!」

「はい、受かりました。本当に、ありがとうございました。」

あんなにおしゃべりで、黙って勉強しなさい!と何度となくKに言われていた少年は、

いつの間にか成長し、

ググッと大人になったように感じました。

心の壁を乗り越えた先には、乗り越えた者にしかわからない世界が待っている。

よかったね。

本当におめでとう。


薫風は、お子様の成長を心から願い、芯の強い子を育てる学習塾です。
posted by kumpu at 20:35| 日記